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小児科
医療法人原田会 はらだ小児科
〒730-0853
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楽しい子育て

第11回 新しい集団生活が始まる時に

始めて保育園や幼稚園に通い始めるとき
家の中の生活から
集団生活を始めると
よく熱がでます

市中で流行っている
感染症への免疫が出来るまでは
一通り病気をもらいます

病気をもらうと
はじめは高い熱が出る事も多いですが
だんだん咳や鼻水は出ても熱は出なくなり
そのうち感染症に罹らなくなります

最近は2ヶ月から始まるいろんなワクチンのおかげで
熱が出る乳児は、本当に減りました
働くお母さんにはありがたいことです

そして保育園に行くようになっても
必ず我が子と向き合う時間を持つようにしましょう
時間の長さよりは中身が大切です
短時間でも
「今は子どもと向き合う時間」、と覚悟して
自分で切り替える癖をつけることが大切です

あれを教える、これをやらせるということより
よーく、子どもの様子を見て
特性を見つけてあげましょう

これをすると生き生きした表情になる、とか
これをすると喜ぶ、とか
苦手や出来ないことが目につきやすいですが
できるようになったあたりまえの事でも
できるようになったと一緒に喜びましょう

そういうことをくりかえすと
自分の自身のこころも安定して
自分自身も元気になるような気がします

新しい学年に向けて
親も子もドキドキですが
それが緊張したプレッシャーにならず
期待にふくらむワクワクになりますように

第10回 「死」について思うこと

希望にいっぱい包まれた
瑞々しい生を受けたその瞬間から
人は死に向かって歩いています
誰もが知っている
あたりまえのこと

「死」は誰のためにあるのでしょうか
「死」は残された人のためにあると思います

死ぬ時は
脳内の麻薬ホルモンが大量に出て痛みは感じないとか
死ぬときに 最後まで耳が聞こえているとか

死んでから生き返って人はいないので
本当かどうかは わかりませんが
その解釈は 残った人には救いになる気がします

「死」という受け入れがたい出来事を前にして
あらわれる自分の姿や心
必ずしも美しいものばかりでなくて

「死」という出来事は誰にでも起こる
でも、それに対してどう向き合うかは人それぞれ

他の人の事までは何も出来ない
出来るのは自分の心のみだけど
「死」は残された人が前を向けるように存在していて欲しい
それは いつも思うことです

第9回 「ダウン症のあるくらし」

21番の常染色体が2本ではなく3本あるためにおこる症状の総称を
ダウン症候群、ダウン症と呼びます

日本小児科医会からの案内に
この本「ダウン症のあるくらし」のパンフが入っていました
本をとりよせてみました

ダウン症のある子どもたちの
様子や将来についてなどが
とても優しい視点のことばでつないで表現してあり
生活くらしがわかる、たくさんの写真が載っていました

ダウン症のあるくらし

「ダウン症のあるくらし」(一部600円)
https://yokohamapj.thebase.in/
医療機関や福祉サービス関連施設で閲覧用に配布を希望する場合は
ヨコハマプロジェクト事務局info@yokohamapj.orgに
お名前、メールアドレス、送付先、提供希望施設名、希望冊数を連絡すると
無償での提供もあるようです

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私の印象では ダウン症の子どもは病気の時に
よっぽどひどくならないと、ぐたっとしない
ふつうならしんどくて不機嫌になるだろうと思うような時も
この状態で 今 笑えるか、という検査の異常がでるような状態でも 
案外 ヘラっと笑っていることが多い

その笑顔は
純粋で無垢にみえて
こっちの心が
洗われる気がする時がある

また、ダウン症の子は
疑わずに
ことばを そのままに受け取って
騙されたり
利用されたりしやすい

確か私が医師になったころは
ダウン症は合併症も多く短命、という
イメージがありましたが
医療・療育の支援もあり
今では自立し就労し
家庭を持つ人もいる、と書いてありました

知らないことは
不安になり遠ざけてしまいがちですが
少し知っておくことは
安心して自然なつながりを結びやすくなり
結果として
自分の世界が広がるきっかけになったりします

「ダウン症のあるくらし」
手に取ってみませんか

当院の待合にもおいてあるので
読んでみてください

第8回 お腹を触ってみましょう:お腹のマッサージのすすめ

赤ちゃんが思い当たることもないのに泣いたとき
言葉の表現がまだ出来ない子どもがぐずったとき
お腹を触ってマッサージをしましょう
何でもないときでも もちろんいいんですが

おへその周りから
ぐりぐり押さえながら
ゆっくり時計回りに“の”の字を書くように
おへそから右下に
それから上に行って左に行って
最後は左下に向かって
ゆっくり子どもの表情を見ながら
子どもが気持ちよさそうにする強さで
ぐりぐりマッサージをしてみましょう

手に腸の蠕動を感じることや
左下のあたりでは便の塊を触れることもあるかもしれません
腸の動きをなだめるように
しっかり、ゆっくり ぐりぐりと

下痢の痛みも
便秘の痛みも
夜泣きも腸の動きが原因のことがあり
お腹のマッサージでよくなることがあります

腸重積になりかけの子に触診でお腹を触っていて
腸が戻った感触がわかったことがあると
大先輩の先生から伺ったこともあります

お腹が痛いと救急車で来院した子が
浣腸するとケロッと痛みがないと言うことがあります
腸の動きに伴う痛みは
それくらい結構、痛いものなのですが
小さい子の便秘の治療は
水分や繊維質の多いものなどをしっかりとる事に
お腹のマッサージが基本です
お薬はその次の方法です

大きくなって自分でお腹のマッサージをして
自分で体調を気遣えるようになるまでは
ますは、お母さんがお腹のマッサージをしてあげましょう

第7回 クリスマスプレゼントは止めて!!~サンタさんはゲーム機をプレゼントしない!~

サンタクロースは
クリスマスプレゼントにゲーム機を贈ってはいけません

タブレット・スマホやゲーム機は
とても魅力的に作られています
子ども自身が自分で利用をコントロールできるものではありません

だから与える前の親の覚悟がとっても大切です

一番簡単な方法は
ゲーム機をサンタクロースに持ってこさせないことです
ゲーム機は父母が買って使っているものを
子どもに貸してあげるというスタンスが大切です

サンタクロースさんがくれたゲーム機を
子どもは自分のものだと言って渡してはくれないけれど
親が貸しているものだったら
返してもらうことは可能なはずです

そして貸すにあたっては
利用時間、利用場所、使える機能などを
紙に書いて、子どもにサインさせるくらいの覚悟で渡しましょう

それと もう一つ

約束が守れなかった時は、
今後一切使えない、は よくありません

××日間使えない、ということにして
不便さを味わって、がまんをして
次はコントロール出来ることを目指しましょう

子どもは失敗するものです
出来ないことも経験です
それを糧として
立ち直ることまで経験することを
期待したいものです

第6回 本の読みきかせ

まずは、好きな絵本をみつけましょう
はじめは 絵が大きくてシンプルなもの
赤ちゃんは視力が弱いので
原色の方が興味をひかれやすいそうです

身近なものが描かれていて
もこもこ、ブーブーとか
擬態語・擬音語が繰り返されているリズム遊びが出来るものに
興味がわきやすいそうです

仕掛けや手触りの楽しめるものが
好きな子もいます

好きな絵本が見つかったら
歌のように繰り返し繰り返し
読み聞かせてあげましょう
言葉として覚えて言いたくなるくらいに・・・

でも、私自身の子育てについて言えば
自分が同じ事を繰り返し読むのが
おもしろくなかったので

自分が読んでみたいと思える本を
勝手に選んで
寝る前の短い時間に
納得する話の区切りまで
毎日ちょっとずつ読んでいました

絵本、昔話に始まって、
子どもが少し大きくなってからは
不思議な空想の物語、伝記
植物図鑑などなども

2人の子ども達は
いつも静かに聞いてくれていて
小学校の3年、4年生くらいまで
続いていたでしょうか

そのおかげか子ども達は
困ったときには
自分で解決につながる文章を
どこかから
見つけてこようとするようになりました

本が好きなことは
悩んだときの助けになりうる

本が好きなことは
一つの生きる知恵につながるんじゃないかな、と
思いました


第5回 はじめてのことば:気持ちのことば

1才前後は、言葉が増える時期です
あーうーと言う声から
もにゃもにゃと喃語をしゃべり出し
やがて、マンマとかブーブーとか
何かをしめす意図を持って
単語を発音し始めます

言葉を増やすコツは
本人が興味をしめした事を
ことばにして、よく聞かせてあげること

指さしがあれば
指さしたものを
お母さんが本人にかわって
ことばにして伝えましょう

まだ、指さしの出ていない時期では
本人の視線をよく見て
見ているものが
関心を持っているものなので
それをことばにして聞かせてあげてください

これを何度も繰り返していると
むにゃむにゃとまねして声を出し
だんだんことばになってきます

ことばを伝えるときに
いっしょにもう一つ伝えてほしいこと
それは“気持ちのことば”です

うれしいとか、悲しいとか
痛いとか こわいとか

気持ちのことばを覚えると
泣いているとき
痛いのか 怖いのか
ことばで教えてくれるようになります

泣いている原因を伝えられれば
誰かが 一緒に考えて
よい解決へ向かいやすくなります

はじめは
多少、気持ちのことばが
お互いでずれていても

何回かすると
気持ちがお互い何となくわかって
ぴったりのことばになってきます

お母さんが
こう感じてるかな
と、思うことばで言ってみてください

自分を表現する
まず、一歩
気持ちのことばを教えましょう

それは きっと
自己表現の第一歩につながると
思います

第4回 無視とごほうび

無視して、ほめるために待つ

子どもの好ましくない行動に対して
声を荒げたりしても
うまく伝わらないことがあります

子どもの好ましくない行動に対して
すっと注目を外すことを
無視と定義します

無視とは
子どもの存在を無視するのではなく
子どもの好ましくない行動に対して行います

してほしくない行動がみられたら
すぐに無視をスタート
好ましい行動を指示してから
無視をスタートしてもOKです

無視中は「その行動を好ましく思っていないことを」を
すっと無視する態度で伝えます
冷静に感情的にならずに
ため息もがまんして無視します

何かの拍子にでも
無視すべき行動が止まったら
すぐにがんばって笑顔を作って
ほめてみましょう

心からの笑顔ではなく
努力して作る
作り笑いでも大丈夫なので
がんばって笑ってあげてください

無視はほめることと併用してこそ
効果がみられます

望ましい行動だけを強化する
この無視したあとのほめるを
繰り返し行っていきましょう

正しい水を流し続ければ
やがてその澱は流れていき
水は正しく流れ始めます
そんなイメージで
ほめるために無視し続けてみてください
心を育てるために

第3回 性について伝えたいこと

子どもに伝えるはじめての性教育の表現として
「水着で隠すところはとっても大切なところだから
人に見せたりしないようにしようね」
と言ってみましょう

水着で隠すところは
人のを見たり、人に見せたり
しないようにしましょう

自分で触ったり、
人のをさわったりするのも
止めましょう

「誰かに水着で隠すところを
見られたり触られたりしたら
お母さんに教えてね」

そう伝えておくと
まだ判断の出来ない子どもを
性犯罪から守りやすいのでは
と、思います

水着で隠すところは
女の子にとっても
男の子にとっても
とっても大切なところなの
まず、そう伝えておいてください

第2回 4つの力を育みましょう

目標は4つの力を育むこと
子どもには4つの力を育てていけばいい
たぶん この4つの力のある子は
とっても幸せだと思う

その1:命と健康を守る力

おなかがすいたとき
バランスよく栄養のあるものを選んで食べれるとか

夜になったら
暗くして
ちゃんと眠るとか

病気だと思ったら
休んで病院へ行くといえるかとか

自分の命と健康を守るのは
だれでもない自分だ、と
自覚して生きていくこと

その2:仲間と一緒に暮らせる力

人は一人では心が育たない
仲間が必要だ

一緒にいて
自分のそのままが現わせて
相手のそのままを心地よく受け入れることができる
そんな仲間が必要だ

人は一人では生きていけない
たくさんでなくても少なくてもいい
仲間が必要だ

その3:計画的にお金を使える力

お小遣いの使い方から練習して

最終目標は仕事をしてお金をもらうこと

小さい頃の仕事は
たとえば学校に通うこと

将来の仕事は
できれば楽しいほうがいいけれど
あんまり楽しくなくても
自分の能力にあった仕事をして
生きていくために働く
お金を稼ぐ

それから
稼いだお金をやりくりして生活する

使いすぎたりせず
騙されてまき上げられたりせず
借金をしたりせず
稼いだお金の範囲内で
やりくりして生活する

その4:楽しい時間を過ごす趣味を持てる力

一人でやることでも
何人かでやることでも

自分は何をするのが好きなのか
案外、わからなかったりする

自分は何を楽しいと感じるのか

続けないとわかない喜びもあるし
いろいろやってみないと出会わないこともある

音楽を聴くことでも
声を出して歌うことでも
本や映画を見るでも
旅をすることでも

自分が何が楽しいと思うのか
自分を楽しませる方法を知ること
それが趣味につながっていく

親がすることは
子どもが4つの力をつけれるように
工夫したり 失敗を見守ったり 練習したり
その繰り返し 

そう思う
たった4つの力をつけることでいいんだ
そう思ったら
案外、できそうな気がしませんか

第1回 視線を合わせましょう

第1回 視線を合わせましょう

はじめましての子育ては、
精一杯がんばっても不安で心配でとても疲れる
今までにない正体不明の体の不調があったりするし

誰でも出来るはずの子育てへのプレッシャーもある

この子にとって本当にベストなことが出来ているのか
不安になったりもする

みんなやってることだから
がんばらなくちゃ・・と思ったりする

そんなときに伝えたい事
赤ちゃんをよく見てください

赤ちゃんはしゃべらないからわからない
と、考えてませんか

よーく赤ちゃんを
見てみてください

泣くか笑うかしかできない
コミュニケーションですが
ちゃんとお母さんに伝えてきます

大丈夫
はじめは間違ってても

そのうち、泣き方一つで
お腹がすいているのか、眠くて甘えたいのか
わかるようになってきます

笑顔で視線を合わせてみてください
おぼつかないその目の中に
だんだんしっかり視線を合わせる喜びを感じ
笑顔で返してくれるようになってきます

赤ちゃんは笑顔に一番反応すると言われています

笑顔で視線を合わせることが出来るようになったら
まずは はじめまして
我が子とのコミュニケーションが成功です

是非、やってみてください

視線を合わせたら
それから声をかけながら
顔を左右に動かしてみてください

だんだん赤ちゃんが追視するようになってきます
1日に何回かそうやって遊んであげてみてください
お母さんの母性が目覚めて
少しだけ疲れもとれた気がしてきます